「どうして忘れたの!?」
担任の先生から叱られている最中もミチは何処かうわの空で先生の顔を見ていた。
「ありがとう」
クラスメイトのマユは安堵してミチに声をかけた。それだけで、ミチは目的を達成したことに優越感に浸っていた。
ミチはマユの代わりに先生から叱られた。が、ミチにとってはマユの代わりに怒られるつもりは全くなかった。
ただ、マユが図工の作品を忘れたから、自分の作品をマユにあげただけ。それによって、自分が怒られるとまでは考えていなかった。
ミチは不思議な気持ちになった。
目の前の友達が困っていて助けただけなのに怒られるんだあ、、、、
人間って不思議だなあ
そんな事を思いながら授業が進んでいく。しばらく経って先生から呼び出された。
「ミチ、、、マユに自分の作品をあげたんだって?」
先生から聞かれてミチは素直にうなずいた。先生はめいっぱいミチを抱きしめて
「偉かったね」
と言った。ミチは褒められたことに照れながら嬉しそうに先生の顔を見る。
(嬉しい)
でも、やっぱり人間って不思議だなあ。さてと、パパニャに報告しなきゃっ
【本日の報告】(📞’ω’)
人助けすると叱られて褒められる。人間は矛盾した生き物。抱きしめられると心が温かい気持ちになる特性を持っている。寒い時に便利。
それにしても、この身にまとってる制服というものは何の意味があるんだろう?
「それでは、みなさんさようなら」
「せんせー、さようなら、みなさん、さようなら」
ミチはママに手をひかれて☆ぴよこ幼稚園☆を後にした。ミチはママに今日褒められた事を何度も何度も話した。
【追加報告】
ママと手を繋ぐと楽しい気分になるよ。パパニャは人間と手を繋いだことある?
※この物語は事実を元に作られています。
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